パセリ Parsley       脇役なんてもったいない!

日本デビューは200年前

地中海地方原産のパセリですが、日本デビューは18世紀 オランダ船により長崎の出島に持ち込まれて「オランダゼリ」と呼ばれますが、野菜として栽培が始まったのは明治時代に入ってから その後も独特の香りや味から、長らく「洋食屋さんが使うハイカラ野菜」のイメージを払拭できず、栄養成分や健康効果が注目され始めたのは案外最近のこと

栄養の宝箱

パセリ特有の香り成分「アピオール」は胃液の分泌を促して消化を助ける。 さらに殺菌・抗菌作用により腸内の悪玉菌を退治してガスの発生を抑え、食中毒を予防。 口内の雑菌の繁殖も抑え、口臭予防にも効力を発揮する…と強力な薬効をもっています。

それを知ってか、古代エジプトでは食事のあとパセリを口に含んでカミカミすることで歯磨きとしていたというのですから、パセリパワーは2000年以上前からのお墨付きだったのですね。

さらに各種ビタミンやミネラルも豊富に含み、抗酸化・生活習慣病予防・免疫力up・強壮、健胃・消化促進作用等優れた効力をもつ優秀な緑黄色野菜なのです。

いつでもパセリのある暮らし

目にも嬉しいグリーンとパワーみなぎる葉をもつパセリは、我が家の常駐ハーブの1つです

春先ポット苗を購入し、鉢植え、または地植えにすれば、元気に成長…外側にある茎の根元から摘み取って使います。外周から内周へ、そしてまた外周へ…が摘み取り作業のローテーション ほぼ放任でも無農薬で栽培できている我が家流のパセリ栽培をご紹介します。

植え付けで気をつけること

パセリは寒さにも強いでの、私の暮らす横浜では3月半ばから植え付けできます。ポット苗1つを植え付けるなら6号鉢(直径18cmほど)が目安 根を深くおろすので、深めの鉢を選びます。

市販のポット苗は1つのポットに3~4本の苗が植わっていることが多いでが、無理やり株分けすると根が痛むので、そのまま根を崩さないように植え付けます。

長く収穫を楽しむための3つのポイント

① まだ株が小さいうちから摘み始めると株が弱ります。そこは少し我慢…ある程度大きく育つのを待って収穫を始めましょう。

根元の中央部分には次なる新芽がスタンバイしていますから、摘み取りでハサミを入れるのは根元から4~5cm上の部分 残った茎は数日のうちに黄色くなって、簡単に抜き取ることができようになりますから、そのタイミングで取り除きます。

② 2週に1回は栄養補給…成長も早い健康優良ハーブですが、その分栄養補給は欠かせません。2週に1回ほどのペースで有機肥料を根元にすき込む作業は忘れずに…怠ると葉色が悪くなって、元気もなくなるので、分かりやすい!慌ててそこから対応してもまた元気を取り戻す生命力を持ち合わせていますから、大丈夫 

③ 花芽が伸びたら摘み取ります。…夏から秋にかけて先端に花芽をもつ太めな茎がスッと伸びてきます。開花を放任していると、最悪枯れてしまうこともありますから、蕾を持つ枝はこまめに切り取りつつ…  秋を越せばその後は無事越冬して翌春を迎えられます。

天敵はアゲハチョウの幼虫君!

病気にもかからず、手間いらずながら、最大唯一の天敵がアゲハチョウの幼虫!数日油断していると、大食漢の幼虫君がこんな立派な姿になっている惨事に遭遇することも…「しがみつく幼虫君を割り箸で茎から引き剥がし、ビニール袋へ」は、何度繰り返しても息を詰めての作業となります。

葉が固く縮れて苦味がある『カーリーパセリ』と、品種改良によって作られた葉が平たくて柔らかく、苦味も少ない『イタリアンパセリ』どちらも育てやすく、栽培方法もほぼ同じです。

環境作りは大切に!

日光浴大好きのパセリですが、夏の強烈な日差しを浴びると葉が硬くなって、食感が落ちますので、鉢植えは木陰や半日陰へ移動。地植えの場合はシェードをかけて日陰を作ってあげるなど対策を講じれば万全です。

そして、スペースにゆとりをもって植え付けてあげること。株の密集を避けて、1株を大きく育て、風通しよくして育てれば、ほぼ放任の我が家でも病気などのトラブルはおこらず、無農薬での収穫を享受しています。

*冬期は成長の速度がぐんと落ちますが、緑の葉っぱを保ち、翌春もう一度収穫の機会が訪れます。そして梅雨前には一生を終える「二年草」それ以上の長寿は望めないもようです。