色と香りをそのままに…

 我が家のアプローチに華を添えている桜の木は「愛染桜 あいぜんざくら」と古風で艶やかな名の持ち主添えられていた商標に北海道 松前で誕生した品種とありました。20年近く前に植樹されて以来横浜の地に良くなじみ、桜の木は剪定しないのが鉄則と知りながら、コンパクトな樹形を保つため我流の剪定を決行する私の無茶にも耐えて、毎年見事に花をつけ、目にもよし!香りも良し! 華やかな染井吉野や楚々とした山桜とはまた違ったゴージャスな花姿を愉しませてくれます。

さらにその花を塩漬けや梅酢漬けにして〝春〟を保存できるのも、八重桜だからこその魅力…🌸

4月初旬に満開をむかえ、10日もすると、ほぼ葉桜に… ↓

染井吉野が葉桜に変わる頃 硬く小さな蕾が膨らみ始めるのが我が家の愛染桜 濃い紅色をしてうつむきがちの蕾は開花するにつれて優しい色合いにかわり、顔を揚げて華やぎを増していきます。つぼみが開きかけたものが香りよく、必ず対で咲きますので、軸ごとに摘み取って「塩漬け」と「梅酢漬け」にして『春』を閉じ込め、保存します。

桜の花の塩漬け

《材料》

八重桜の花と蕾  100g

塩        20g (桜の花重量の20%)

白梅酢      適宜

保存用の塩    15~20g

《作り方》

*桜の花は5〜6分咲きを目安に摘み取ります。100g程度は摘んだ方が作業しやすいです。

*蕾の桜茶も可愛らしいものです。摘み取りはお花に加えて蕾も加えることをお勧めします。

① 花の柄の付け根についているガクの部分をしっかり取り除きます。

(左)桜の花100gです。(右)花の付け根をお掃除して清々しい姿になりました↓

② たっぷり水をはったボウルに花をいれて、やさしくもみ洗いし、ザルに揚げて水を切ります。

③漬けもの容器に1/3量ほどの花を入れ、上から塩をまんべんなく振り、この作業を3回繰り返し、白梅酢をひたひたに注いで漬けもの容器のふたをし、ねじをゆるめに締め、2~3日間冷暗所で保存します。

④ 水が上がってきたらアクを除くため桜の花をザルにあけ、手のひらで挟むようにして水気を切り、花をやさしくほぐして漬けもの容器に平らに入れ、白梅酢をひたひたに注ぎます。

⑤ 重しの表面に白梅酢がかぶるくらいに緩くねじを締めておくと、花はえもいわれぬ桜の香りを放ち、鮮やかな紅花色になってきます。4~5日したらザルに上げ、手に挟んで絞り、桜花に塩をまぶしたら、瓶に詰めて保存します。片割れのものは取り分けて刻み、桜ご飯や和菓子に使うと、また良し!です。

2日後早速「桜茶」に…お茶は桜の香りが移り、ほんのり塩味 うっすら塩味をまとった桜の花は香り高くふっくらして、春の恵みを噛みしめた感が口と鼻腔に広がります。…もちろん お茶も良いけれど、私は…桜のお花を噛みしめていただくのが好き!

*お花を取り出した後に残った桜酢は再利用しましょう。大根やカブを薄切りにしてかるく塩をしてしばらくおいてから水気を切り、桜酢に漬ければ、桜色と香りの移った即席漬けの出来上がりです。

桜の花の梅酢漬け

*上記 桜茶作り⑤の工程で、桜の花を漬けていた白梅酢から出して酢の水分を切ったところから、梅酢漬けの作業を進めて作ります。以下参考になさってください。

① 白梅酢に漬けて4~5日した花をザルに上げ、手に挟んで絞ります。(上記桜茶の作り方⑤まで進んだ状態です。)

② 新たな白梅酢をボウルにはって、その中で桜の花の塩気を落としましょう。

③ 消毒済みの保存瓶に花を入れ、新たな白梅酢をたっぷり注ぎ入れて保存します。

* 炭酸で割って桜スカッシュに、すし飯に混ぜ込めば、春爛漫の『さくら寿司』に…

 これさえ常備しておけば、いつでも春を感じられますょ。