ミント… 爽やかハーブの代表選手

ミントも我が家の常駐ハーブ 冬 地上部は枯れてしまいますが、地下の根は寒さに負けることなく春には地面を割って元気に芽吹く生命力あふれる頼もしい存在です。

ペパーミンント系、スペアミント系、日本に自生するハッカも含め人口交配、自然交雑が進み、世界には500種とも600種あるともいわれるミントですが、現在我が家では厳選の?3種を栽培中

『アップルミント』

青リンゴに似た甘くフルーティーな香りと味で、柔らかいうぶ毛が密集する葉っぱが可愛らしい私のお気に入り。切り花(葉)にして姿と香りを愉しむもよし、ハーブティーにして爽快気分をいただくもよし、コロナ蔓延中の今、マスクの中に葉っぱを一枚潜ませて爽やかアロマに癒されたり、料理にも重宝!と良いことづくめ…冬でも収穫できるのも嬉しいところ…と、出番の多いハーブです。

難をいえば…元気過ぎ!でしょう。 生育が旺盛で、地植えにすると横に伸びる根からも芽を出し、際限なく増える!増える!周囲をアクリル板や波形トタンで囲むか、植木鉢に植え付けて土に埋めるなどの対策をしないと他の植物を押しのける勢いで増殖してしまうのです。

虫が好んでよってくるものの、それに負けないほど生育が旺盛で、病気の心配はまずないのもありがたく、愛おしいハーブの筆頭です。

『スペアミント』

甘さのある穏やかな香りでハーブティーや料理に使いやすいのが魅力 夏場の水切れに気をつける以外ほぼ手がかからないのは他のミントたちと同じ… 出番頻出はハーブティー、サラダと続きます。

『イエルバブエナ

スペイン語で「よい草」という名をもつキューバ産のミントです。  スペアミントの味わいに近いながら、香りも強く、より野性味が強い印象 ほんのり青みがかった葉はスペアミントよりひとまわり大きく厚みもあって荒々しささえ感じます。冬は株は生長が止まり、葉は小さく硬くなりますが、横浜では戸外で越冬 雪が降っても大丈夫です。

← 我が家の鉢植えはごらんの通りエネルギッシュに生育中… 

私が初めて『イエルバブエナ』に出会ったのは、カクテル:『モヒート』のグラスを生き生きと美味しそうに演出するバーカウンターでのこと。 マスターが『モヒート』発祥の地キューバで使われる『イエルバブエナ』を自家栽培して実現したこだわりの1杯でした。

その後文豪ヘミングウェイが愛飲したカクテルに使われたミントとして輸入され、園芸店に並ぶようになったため、我が家にも1鉢お招きした次第です。

ミントの仲間たちはどれもほぼ放任で元気に繁殖…時に奔放ぶりに手を焼くほどですが、そんな時こそフレッシュミントティーに、モヒートに、紅茶を淹れるカップに1枝添えると香りがたち、こちらも素敵!コロナ蔓延の昨今マスクの中に葉っぱを1枚潜ませれば爽やかアロマの癒し効果は抜群です。

さらに…先端7〜8cmほどを摘んで、水にさしておくと数日~1週間ほどで根が生えてきます。

そしたら、土に指1本 第一関節ほどの穴を開けて根の部分をさし、土をかければ…いよいよ元気に成長してくれますょ。お試しあれ…

名前の由来は…

ミントmintの名はギリシャ神話に登場する妖精メンテーに由来するといわれています。

ことの始まりは天空の神ゼウスや、海神ポセイドンの兄にあたる冥界の王ハデスが美しい妖精メンテーに出会ってしまったことから…

ひと目で恋に落ちたハデスは、思わずメンテーに抱きついてしまいます。それを見て激怒したのはハデスの妻ペルセポネ「お前など雑草になってしまえ!」とメンテーを足で踏みつけ、草の姿に変えてしまったのです。以来、メンテーは美しい香りを放ち、自分の居場所を知らせるようになったと伝えられています。

ときに甘く、爽やかに香るミントの葉。恐ろしい冥界の王も一瞬で恋に落ちた、魅惑的な妖精の姿を思うと、想像がふくらみますね。

私の子供時代「ス~ス~する」といえば『ハッカ:薄荷』 「ミント」という固有名詞は『クールミントガム』の呼称の中に隠れていていたとはいえ、気にもとめず… 「ス~ス~」は『ハッカ』でした。

それもそのはず!和種のミント:ハッカはその精油中にス〜ス〜をもたらす成分「メントール」を65~80%も含み、ハッカは数あるミントの品種の中で群を抜くメントールの含有率 それを原料に高度な精製技術を駆使して作られる良質な『薄荷脳』は日本の貴重な輸出品だったのです。

『薄荷脳 はっかのう』と呼ばれる結晶は、ミントの葉を乾燥した後、高温の蒸気で蒸して抽出された原油が冷えて固まってでるほぼ100%メントールの塊:結晶

昭和初期には、薄荷の精油と薄荷脳の出荷総額が世界市場の70%を占めるほどでしたが、その後海外の安いハッカや合成メントールに押されて生産量は激減。現在は北海道の北見地方で、和種の改良品種から精油や薄荷脳が作られているのみとなっています。

まるでクリスタル!

ス〜ス〜の正体である『薄荷脳』日常あまり目にすることはありませんが、添加物として食品や医薬品、化粧品、たばこ、歯磨き粉などに幅広く利用され、商品名「クリスタルペパーミント」として結晶が市販されていますのでご紹介しましょう…クリスタルのような結晶を手のひらに出すと、シャラシャラとした涼しげな音とともに、ほのかにミントの香りが立ち上り、ごく少量を口に含むと香りが口中に広がり、唇にピリリとした刺激が残ります。

紅茶にほんの数ミリ入れると上品なミントティー ただし入れすぎにはご注意を!ス~ス~を超えて刺激になってしまいますから… バスタブに数ミリも爽やかな香りが素敵 不織布製のお茶袋に入れて靴箱やクローゼットにサシェよろしく忍ばせれば、天然アロマと消臭、防虫効果も期待できる優れものとしても使えます。

精油は『ハッカ油』の商標で発売されています。こちらも使い道はほぼ同じ。しっかり香りが欲しい場合は『ハッカ油』を選びます。

ミントティー 🌱

フレッシュな葉っぱを使って淹れるミントティーは清涼感にくわえ、ほのかな甘みも感じられて体も気持ちも浄化してくれる一杯です。

《材料》1人分

水        200ml

ミントの葉    5g

*お好みで砂糖や蜂蜜を加えても…

《作り方》

① ミントティーに使う分量とポットやカップを温める量合わせた分量のお湯を沸かします。

②ミントの葉は洗って水気を切り、葉をちぎるか、手のひらに挟んでパン!…ちぎられたり、たたかれた刺激でエッセンシャルオイルが組織から出て香りがたち上ります。

③ 沸騰したらティーポットとカップに注いで温め、お湯を捨ててください。

④ ③のティーポットに②ちぎったミントの葉を入れ、葉っぱめがけてお湯を注ぎます。

⑤ 蓋をして、ポットカバーをし、3~5分おいて蒸らしたら…

⑥ カップに注ぎ、「いただきます!」

《美味しく淹れるためのポイントは…》

*ミントはちぎるか、手のひらにはさんで叩いてから使います。

*お湯は沸騰させて使いましょう。熱湯を注ぐことでエッセンシャルオイルが十分に抽出され、揮発して香りが立ち上ります。

ノンアルモヒート

カクテル『モヒート』の爽快感をアルコールフリーのドリンクで楽しむレシピです。

《材料》 1人分

ミントの葉      20枚
ライム              1/4個
グラニュー糖     小1
炭酸水             100ml
氷                    適量(4~5個)

*ライムに代えてレモンやカボス、スダチなど使うと風味が変わってこちらもまた美味しく楽しめます。

《作り方

① ライムをくし形に切り、1/4片を1個使います。

② グラスにライム、ミントの葉、グラニュー糖を入れ、軽くつぶします。

③ グラスに氷を入れ、ソーダ水を注いで軽くかき混ぜたら出来上がりです。

*ミントとライムを潰して、ジュースや風味を引き出すのがポイントですが、頑張りすぎると苦味が出るのでほどほどに…

モヒート

《材料》

ライム 1/4個 …くし形に切って使います。

ブラウンシュガー   適量

ホワイトラム     50ml

炭酸水        50ml

ミントの葉      20枚程度

*ホワイトラムは『バカルディ スペリオール』、『マイヤーズラム ホワイト』などを使います。

《作り方》

①グラスにライムとブラウンシュガーを入れ、マッシャーを使ってライムをつぶし、果汁にブラウンシュガーを溶かします。

② グラスにミントの葉を入れ、やさしく潰します。

③ さらに氷を入れ、ラム酒を注いでよく混ぜ、炭酸水を入れて、軽く混ぜたら出来上がり!

《美味しく淹れるためのポイントは…》

* 材料、グラスともよく冷して使います。

* ライムの果皮やミントを強くつぶすと苦味がでますので、ミントの葉は手のひらで軽くたたいてから使い、ライムの皮も力を入れずにつぶしましょう。

* 炭酸水をジンジャーエールに替えると、生姜の辛みがアクセントになって、こちらも素敵です