文学の中のスパイス菓子

 

ヨーロッパの昔話や児童文学にも、スパイスいっぱいの伝統菓子『レープクーヘン』

 

や『ペファークーヘン 』、『シュトレン』、『ペッパーカーカ』が登場します。

 

幼い日に親しんだ物語をもう一度見直してみませんか?

 

                                            『グリム童話集』(独:Grimms Märchen)

 

1812 年 初版第1巻(86編)

 

ヤーコプとヴェルヘルムのグリム兄弟著

 

『ヘンデルとグレーテル』に出てくる『お菓子の家』

 

は、人里離れた森の奥深く暮らす魔女の家

 

 

原作の記述は「壁がレープクーヘンで、屋根は菓子類

 

窓は透き通った砂糖でできていた…」とある。

                    挿絵 アーサー・ラッカム(1909年)

                                             

               『愛の家』

 

 1907年 アグネス・ザッパー著(ドイツ)

 

第一次世界大戦前のドイツ ピェフリング一家

 

(両親と7人兄弟)の暮らしを、長い冬の風物を背景に

 

描いた物語 文中のクリスマスの食卓シーンに、

 

「クリスマスのご馳走は、『西洋すももと梨が入

 

クリスマスのパン』、『コショウ入りのケーキ』、『が

 

ちょうのあぶり肉』だった。」と描かれている

 

『西洋すももと梨が入クリスマスのパン』は

 

『シュトレン』のこと。

 

コショウ入りのケー』は『ペファークーヘン 』

 

がちょうのローストはドイツのクリスマスの伝統的な料理

 

            『わたしが子どもだった頃』

 

 

1962年 エーリッヒ・ケストナー著(ドイツ)

 

ケストナーは、少年時代をドレスデンで過ごした児童

 

文学者 自伝的小説の中で、クリスマスの日「私は

 

フランツおじさんのところへ行った。コーヒーと長い

 

パンが出た…」とある 長いパンは『シュトレン』です。

 

              『ソフィーの世界』

 

1991年 ヨースタン・ゴルデル(ノルウェー)

 

プラトンのイデア論の説明を、こんな比喩から始めます

 

アテナイにようこそ、ソフィー … ぼくはプラトンと

 

いいます。 君に4つの課題を出そうと思います。

 

まず第1問 さあ 考えてね 「ケーキ屋はなぜ50個

 

もの同じクッキーを焼けるのか?」

 

ソフィーはクリスマスに母が人形の形をした『ペファー

 

ーヘン 』をたくさん焼いたことを思い出し、全部の

 

クッキーを同じ「型」で焼くからだ!と正解を見つけました。

 

        『風にのってきたメアリー・ポピンズ』

 

 1934年  P.L.トラヴァース著(イギリス)

 

バンクス家の子ども達を連れておつかいに出たメアリー

 

・ポピンズ

 

肉屋に魚屋と廻り、『ジンジャー・パン』を求めてまた

 

歩き始めます。おつかいに飽き飽きしていた子ども達は

 

最後のおつかいが『ジンジャー・パン』と知ると、

 

大喜び。しかもお店に着いてみると、そのジンジャー・

 

パンはいつものと違って素敵なこと!

 

その平らな一つ一つのお菓子には、金色の星飾りがいちめんについていて、その輝き

 

のために、店の中がほんのり明るく見えるかと思われるほどでした。(P.165)

 

            『長くつ下のピッピ』

 

1945年アストリド・リンドグレーン著(スウェーデン)

ピッピは9歳になる女の子 外国船の船長だったお父さ

 

んの帰りを待ちながら、スウェーデンの小さな町の小さ

 

な家に、子猿と馬と一緒に暮らしています。

 

ピッピはお隣のトミーとアンミカを招いて3人でコーヒ

 

ー会を開くため、床一面にクッキー生地を伸ばして、ハ

 

ート型の『ペッパーカーカ』を500枚も焼いて準備します…。 また違う場面でも

 

おまわりさんに無理やり『子どもの家』に連れていかれそうになって逃げ回り、疲れ

 

たピッピは14枚も『ペッパーカーカー』を食べたのでした…。

 

*『Pepparkakor ペッパーカーカ』はジンジャー、シナモン、カルダモン、クローブ

 

などスパイスがたっぷり入ったスウェーデンの伝統菓子です。クリスマスにはツリー

 

リースの飾りとしても使われます。