ピーターラビットの『うさぎたばこ』と『せんじ薬』… ラベンダーとカモミール

子うさぎピーターはお母さんうさぎと3匹の妹たちと一緒に大きなモミの木の根元の砂の穴の中に住んでいました。

お父さんは近くのマッグレガーさんの農場で捕まって、肉のパイにされてしまったのです。

 そこで お母さんうさぎは雑貨屋を営んで生計をたて、4匹の子うさぎとともに暮らしていました。

以下 本文抜粋

 「おかあさんは、うさぎの毛の手ぶくろや、そで口かざりを編んで暮らしをたてていました。それから このおくさんは、せんじ薬や、『うさぎたばこ』も売っていました。(『うさぎたばこ』というのは、私たちがラベンダーといっている草です。)」

束にして壁に吊るされているのが『うさぎたばこ』に使われる「ラベンダー」で、十分乾燥したら紫色のつぼみを集めて『うさぎたばこ』に使います。テーブルには「カモミール」の花を乾燥させた『せんじ薬』も包みにして置かれていて、ここはベンジャミン一家のリビングであり、店先でもあるようです。

ある日 お母さんうさぎが「お百姓のマグレガーさんの畑だけには行っちゃいけませんよ…」と言い残してパンを買いに出かけると、ピーターは…一目散にマッグレガーさんの畑に駆けつけ、無理やり木戸の下からもぐりこみました。

まずレタスを何枚か…  それからさやいんげん はつかだいこんも何本か食べて …

パセリを探しに行ったらさ~あ大変! ばったりマッグレガーさんに出くわしてしまったのです!!「どろぼうだ~」とどなりながら追いかけられたピーターは、畑じゅうを逃げまわり、片方の靴はキャベツ畑で、もう片方の靴はジャガイモ畑で無くしてしまいました…。

さらに網に飛び込んで、上着のボタンを網にひっかけてしまい、もう駄目だ… 大粒の涙をこぼしていると、スズメ達が激励に来てくれました。

そうこうしているうちにまたまたピンチ!マックレガーさんがフルイを持ってピーターにかぶせようとするものだから、ピーターは夢中で上着を脱ぎ捨てて逃げるはめに …駆けて 駆けて 飛び込んだのは水がいっぱい入ったジョロの中!

息を潜めて隠れていると…しばらく捜したマッグレガーさんですが追いかけごっこに見切りをつけて畑に戻ってゆきました。その後も白猫に遭遇したり、またマッグレガーさんに見つかって追いかけられたりしながら…ようやくピーターは木戸をくぐり、森へ逃げ出すことができたのです。

きのどくに、ピーターは その晩 おなかの具合がよくありませんでした。

おかあさんは ピーターをねかして、かみつれをせんじて、ピーターに1回分のお薬を飲ませました。 「寝る前に大さじ1杯ですよ」 (以上本文より抜粋)

おかあさんうさぎが煎じている『カミツレ』はカモミールの花を乾燥させたもの 甘い香りながら、ほろ苦さも混じったその煎じ液は、やんちゃの果てにお腹をこわしたピーター坊やの心境に重なる1杯になったに違いありません。

ハーブが生活の中にある100年あまり前のイギリスの田舎暮らしがほのぼのと描かれ、たちのぼる湯気の温かさや、その香りまで伝わって来そうなシーンです。

おかあさんうさぎの煎じてくれたかみつれ(カモミール)のお薬が効いたのでしょう…翌日ピーターの体調は回復し、いとこのベンジャミンに誘われ、またマッグレガーさんの畑へ出か けます。 … よかった。ありましたょ!かかしに着せられた服と靴を取り返し、目的達成!? そのまま帰れば よいものを?彼らはお土産に玉ねぎを持ち帰ることを思いつきます。 たくさん集めて さあ おかあさんの元へ 

しかしながら、行く手に待っていたのは ねこ!とっさにかごの中に身を潜めたのはよかったのですが、気配を察したねこはかごの上に座り込み、居座ること5時間!!

狭いかごの中で、玉ねぎ臭に苦しむピーターとベンジャミンを救ってくれたのは、子供達を探しにきたベンジャミンのお父さんでした。突然襲いかかられたねこは退散 

待っていたのは、お尻 ぺん ぺん のおしおきでした。

この頼もしいおとうさんうさぎがくゆらしているのが『うさぎたばこをつめたパイプ』

 ラベンダーの香りを楽しむ『パイプ』です。

ラベンダーの香りには心を落ち着かせ、緊張を和らげる…など心身に良い効能がいっぱいですから、おとうさんうさぎ:ベンジャミンが パイプでくゆらすラベンダーの〝うさぎたばこ〟は本人にとっても周囲にとっても良いこと尽くめ … まさにみんなが嬉しい『フレーバーたばこ』!に違いありません。

ダンディーなベンジャミンうさぎにアロマパイプがまたお似合い!

カモミール

ピーターラビットはイギリス湖水地方が舞台のお話ですが、おかあさんうさぎが『せんじ薬』にしていたカモミールはヨーロッパでは「母の薬草」と呼ばれ、準医薬品扱い 友人によるとドイツでは風邪を含むちょっとした不調はカモミールティーを飲んで直すのが常識で、どの家の薬箱にも常備されているそう。その彼女はちょっとしたにわか雨なら傘もささずに小走り移動 帰宅してハーブティーを1杯飲んでおけば大丈夫!そんな対処もドイツ流と話してくれました。

『カモミールティー』日本でも国産、輸入品、紅茶などとブレンドされたものも含め各種流通して、気軽に取り入れられるハーブティーの筆頭になっていますね。

その効能は抗菌、消炎作用、鎮痛作用、収斂作用、消化促進作用、利尿作用、抗アレルギー作用などを有することから、リラックス効果、胃腸の調子を整え、肌の調子を整え、身体を温め、眼性疲労の回復など期待できる優秀さ

ノンカフェインですから子供や胃腸の弱い方にも嬉しいハーブで、ヨーロッパでは「就寝前のカモミールティー」は日中の疲れをリセットして短時間でも質のよい眠りを誘ってくれる誘眠ティーとして古くから愛飲されてきた歴史があります。

とはいえ、ほんのり漂うほろ苦さが苦手という人も案外多いもの 私的な見解ですが、特に輸入品は香りも強い分、苦味もあるような気がします。そこでお勧めは自家栽培 お花を摘んでそのままのフレッシュでも、1週間ほど広げて乾燥させたドライでもリンゴのような甘い香りが漂って、苦味も気にならない素敵さです。…これ新鮮ゆえ、「アクがない」のかもしれませんね。

プランターでも地植えでも栽培は容易で、ハーブティーとしてのみならず、その立ち姿、リンゴのような香り、愛らしい花も楽しめますから挑戦されてみてはいかがでしょう… 種からでもぱらぱら蒔いておけば芽を出してくれますけれど、まずは苗からがお勧め。ポット苗が出回る春先が始め時です。

日本で栽培しやすいのは『ジャーマンカモミール』と『ローマンカモミール』りんごのような芳香で癒し効果は抜群です。

『ジャーマンカモミール』は直立性で小ぶりな花が可愛らしく、一年草ですが、翌年以降もこぼれ種が芽を出してくれるので、地植えでもプランターでも多年草のように楽しめます。お花の最盛期は4月中旬から~5月末迄まで(横浜では…)香りをもつのは花の部分に限られます。

『ローマンカモミール』は、ジャーマンよりも大きめの花を咲かせ、多年草で横に広がって繁殖する匍匐性を持つタイプ。

秋刈り込んでおけば、冬越しして、翌春にはより大きな株になって育ちます。こちらは梅雨の時期に花盛りを迎えます。

お茶にすると苦味が強いためブレンドしたり、工夫して…

花も葉も強く香るので、ポプリやクラフトに最適ですし、ハーブバスも素敵です。

栽培にあたっては…日当たりがよい場所を選んで、培養土は市販の園芸用の土か、庭土に少し堆肥や肥料を足す程度で、酸度調整する必要もなくすくすく成長してくれます。

夜間に花びらを閉じる花はありますが、カモミールは「開ききる」!花びらを真下に下ろして、黄色い花芯をむきだしにして寝むります。そして翌朝下ろしていた花びらを持ち上げ、水平に広げて元気一杯また太陽に向き合うのです。
花の終わりに近づくと、花びらを持ち上げることはなくなり、硬く縮んでいた黄色の花芯が膨らんで、モフモフに変化します。そんな花姿を収穫の目安にしてジャーマン種は花の部分だけ花の根元を指に挟みこんで、すくい取るように摘み取ります。朝摘みがお勧め

唯一の天敵はアブラムシ 増殖しないうちに見つけたらつぶしましょう。

プランター植えでしたら、タイム、セージ、ローズマリー、ゼラニュウムなど香りの強いハーブの鉢で囲んで、あとはてんとう虫君の活躍に期待して…

ラベンダー

大きく分けてイングリッシュ系とフレンチ系がありますが、品種改良が進んで、様々な色や花形のものが出回るようになっています。日本の梅雨が苦手とされていましたが、イングリッシュラベンダーの原種以外はその弱点もほぼクリア!虫がつくこともほとんどなく、乾燥を好むため、地植えしておけばほぼ放任で、お花と芳香が楽しめます。ただし、蜂とりわけクマンバチがラベンダーハニーが大好き!羽音も迫力あるので脇を通りすぎるのにも勇気が必要… 撮影中に向かってきていたとは…後からヒヤリとした1枚です。↓

ポプリにするなら蕾のうちに茎から外して乾燥させ、私はもっぱらサシェにして使っています。

生地の素材やレーステープなどで表情を変えて作れば表情いろいろ…置いても掛けても、シューキーパーにしてもジャストフィット!お気に入りの形です。→